いかえもん

50/50 フィフティ・フィフティのいかえもんのレビュー・感想・評価

4.0
実はちょっと足を怪我しまして、2週間ほど自宅療養してたんですが、その間にインフルエンザにはかかるし散々でした。病気とか怪我って、ほんとに心が弱りますね。
そんなわけで、この映画の主人公みたいに5年後生存率50%の、なんか難しいガンですと宣告されたら、そりゃもう普通じゃいられないと思います。

この映画の一番のポイントは、これまでと変わらず明るく振舞ってくれる友達の存在だと思うんですよね。特に主人公のアダムが、親友カイルが本当は自分のことを誰よりも心配して気にかけていてくれたんだと気が付くシーンがあります。そこはもう、涙出ます。
しかし、私はここでもう一歩踏み込みたい。アダムが彼の優しさに気が付かなければ、いつも女のことばっかりで…と思っていただけだったかもしれない。現実では、私たち自身も友達のああいう優しさに気が付けるような状況は訪れないかもしれない。だけど、もしかしたら今目の前で明るく振舞っている友達は、一人になったときひっそり自分のために心を砕いてくれているかもしれないし、そうでなかったとしても、目の前でどんな振る舞いをしていようとも、それは今の友達の精一杯の優しさなのだと思うことが大切だな、と思いました。

全体に明るさと苦さのバランスが良くて、きゅっと心が締め付けられるような生きることへの温かさが感じられる作品でよかったと思います。