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アラキメンタリのyuumのレビュー・感想・評価

アラキメンタリ(2004年製作の映画)
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中学生の時Reality Show No.2でナカオエリコ様を撮っている映像を見て以来荒木経惟はずっと強烈な印象のまま。

女性側から望み・進んで被写体になること、荒木自身が女性に対する愛情と敬意を人一倍持って撮影していることを女性側のインタビューに時間を割いて本編中繰り返し訴えていた。彼が無理矢理やって女性を撮ったことはおそらく無いだろうし(あまりに素っ頓狂でやばくアグレッシブな話し方なので本当に大丈夫…?ただのアブナイおじさんじゃないんだろうかと最初は思った) aesthetically beautifulであることには違いないけれど確かに幾つかの写真は居心地が悪くなる。ディヴィッド・ハミルトンの作品にも言えるけれど世界観はとても好きでもセクシャル・プレデターとしての潜在性が一度見えてしまうと一気に色褪せてしまう。けれど美しいと思う気持ちまでは捨てきれないからむつかしい。ベルトルッチに関しては完全にアウトだけど彼の映画が感性に訴えかけてきたもの全てを否定することは私は出来ない。むつかしい。

アラーキーの撮影へのスタンスがどういうものなのかをきちんと想像する前にこのドキュメンタリーを見てしまったのは少々勿体無いことをしてしまったと思う。

量産型なのもあるだろうけれど、瞬間を切り取る技術とスピードは天才的だと思った。
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