欲望の翼の作品情報・感想・評価

欲望の翼1990年製作の映画)

阿飛正傅/Days of Being Wild

製作国:

上映時間:97分

ジャンル:

3.9

あらすじ

「欲望の翼」に投稿された感想・評価

シネマ・ヌーヴェル
まさか

まさかの感想・評価

4.8
1990年製作の香港映画。日本ではバブル崩壊の1992年に公開され、映画ファンの脳裡にウォン・カーワァイの名前を深々と刻印した記念碑的作品。当然ながら中国語圏の数々の映画賞に輝いてもいる。原題は『阿飛正傳』。魯迅の代表作『阿Q正傳』のもじりだが、両作に何か関係するところがあるのかどうか、僕にはわからない。

脚本、俳優の演技、湿度を感じさせる陰影に富む映像、それらの全てが新しい時代の到来を告げていた。とりわけクリストファー・ドイルのカメラが素晴らしい。トーンが飛んだ薄暮のようなシーンがあるかと思えば、逆に深い闇に沈んだ影を静かに追い続けるような場面がある。

四半世紀前、公開と同時に観て、世界中の他の監督の遥か先を行く斬新な表現方法に驚嘆したことを、今でもはっきり覚えている。以来何度も観ているが、観飽きるということがない。自分にとっては、誰にも手の届かない宝石箱の奥深くにそっとしまっておきたい至宝のようなフイルム。

乱暴な言い方をすれば、ストーリーはシンプルだ。定職を持たず、資産家の母親(養母)からカネを搾り取りながらヤクザな暮らしを送るヨディ(レスリー・チャン)の日々と、彼を取り巻く女や男との関係を描いているだけである。彼は自分以外の人間を信用することはなく、常に冷笑的で粗暴な男。しかし同時に、時折見せる寂しげな目とニヒルな表情が女を惹きつける。そして、なぜか心の奥深くに影を宿しているように見えるのが気になる。

物語が進むに従ってその理由が明かされるのだが、影のその先にあるものを追ううちに、ヨディは生きる支えを見失うことになる。この物語にはいくつもの叶わぬ想い、一方通行の愛が描かれているけれど、ヨディの抱える寂しさの奥には、癒えることのないかすかな心の傷がある。その切なさの正体に気づいた時、観る者はみな胸が締め付けられる思いがするはずだ。

本作の中にとりわけ印象深いシーンがある。ヨディがランニングシャツとパンツだけで、ボサノバ調の曲に合わせ腰を揺らしながら、たゆたうように独り踊るのだ。このシーンの美しさ、哀しみ、切なさを表現する言葉を持たない。僕の映画体験史上、最高のシーンの一つ。

やるせなさに塗り込められた日々の裂け目に顔を覗かせた刹那の幸福感。癒えることのない哀しみを束の間忘れるために音楽に合わせて踊るヨディ。そこに隠しきれない色気が溢れ出ていて、男のものとは思えないほどに切なく艶やかなダンスシーンになっていた。ああ、もう一度だけでいいから、あの頃のレスリーに会いたい!

あ、レスリーのことばかり書いたけど、共演者も凄いです。マギー・チャン、カリーナ・ラウ、アンディ・ラウ、ジャッキー・チュン、トニー・レオン。何れ劣らぬ大スターだからというわけでなく、それぞれの人間の運命を背負って、スクリーンの中でまざまざと生きているから、凄い。もしまだ観ていない人がいたら是非!
shikoku

shikokuの感想・評価

4.1
人たらしここにあり。アジアの埃っぽくてジメッとした雰囲気味わいたい時に観る映画。
Shunsuke

Shunsukeの感想・評価

5.0
大学生という多感な時期にこの世界観に憧れ、中国、香港、アジアの国々を歩き回り、新しい価値観を身につけ、今の自分がいる。
といっても過言ではないくらい。
emu

emuの感想・評価

3.6
幻想的な青と緑、交差する男女の恋模様。蒸し暑い夏の夜の夢のよう。
足のない鳥は何処へ向かう
saku

sakuの感想・評価

3.7
予告で期待しすぎた
音楽が良い
がく

がくの感想・評価

3.8
1960年4月16日3時1分前、君は僕といた。この1分を忘れない

なんというワードセンスなんでしょうか。
人間は毎日当たり前のように次の日も当たり前のようにすぎると思っているもんなんですけど、そんなことはないんですよね。
明日、いや、もしかすると今死ぬかもしれない。それでもその1分前は確かに自分が存在していたんだ。
先のことなんてどうなるかわからないと主人公入っていましたね。

やはりこの作品もエモさ爆発でした。
MiYA

MiYAの感想・評価

1.0
あまり事件らしい事件も起きず、起承転結に乏しい。苦手のタイプの映画です。登場人物の関係が少しづつ繋がっていく感じは面白かったですけど、なんか最後にもういっちょ盛り上がりが欲しかったなぁ。
えぐかっこいい

このレビューはネタバレを含みます

○新文芸座の2本立てにて鑑賞。

○ウォン・カーウァイ監督作品は「恋する惑星」も観たが、自分には少し合わないかな。音楽、撮影は良かったが。
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