ユースケ

エルム街の悪夢4/ザ・ドリームマスター最後の反撃のユースケのネタバレレビュー・内容・結末

3.0

このレビューはネタバレを含みます

赤と緑のボーダーニットに茶色の中折れ帽、右手には自家製の鉤爪をキメたお茶目な殺人鬼フレディ・クルーガー(ロバート・イングランド)が血気盛んな少年少女を悪夢の世界に引きずり込んで切り刻む【眠ってはいけない】シリーズ第4弾は、ナンシー(ベザー・ランゲンカンプ)とクリスティン(パトリシア・アークエット)のダブルヒロインの活躍と【リング】式供養法によって成仏したフレディを、犬(名前はジェイソン)のファイアションベンでアッサリ復活させ、前作を生き延びたクリスティン(アークエットからチューズデイ・ナイトへキャスティング・チェンジ)、キンケイド、ジョーイをアッサリ退場させ、キッチリ終わった前作を台無しにしてしまったちょっと残念な一本。

みどころは、フレディの冴え渡る人を殺して捨てゼリフの数々。
鉤爪を腹にぶち込まれ「地獄で会おう」と捨てゼリフを吐くキンケイドに「先に行ってろ」と捨てゼリフ返しをかましたり、ポスターから飛び出した全裸のグラビアアイドル(ホープ・マリー・カールトン)に夢中のジョーイをウォーターベッドの中に引きずり込んで「中で夢精しろ」と捨てゼリフをかましたり(前作ではナースのおっぱい、本作ではグラビアアイドルのおっぱい、ジョーイは本当に裏山)、テスト中のシーラの精気を吸い尽くして「落第だ」と捨てゼリフをかましたり、日の丸と忍者のポスターを部屋に飾り、朝日旗のハチマキにヌンチャクでキメる【ベスト・キッド】気取りのリックに鉤爪をぶち込み「サヨナラ、リックさん!」と日本語で捨てゼリフをかましたり、筋トレ中のデビーに「何事も努力だ(ノーペインノーゲイン)」と捨てゼリフをかまし、彼女の嫌いなゴキブリに彼女の姿を変え、ごきぶりホイホイにぶち込んで握り潰したり(特殊メイクはスクリーミング・マッド・ジョージ先生)、捨てゼリフに次ぐ捨てゼリフでお腹いっぱいです。

更に、覚悟を決めたヒロインのアリス(リサ・ウィルコックス)が、睡眠薬を飲み、鏡を覆っていたフレディに殺された仲間たちとの思い出の写真を剥がしながら、彼等の遺品を装備するシーンはテンアゲ。
アリスの武器が兄のリックから闘魂伝承されたカンフーっぽいカラテってボンクラにもほどがありますよ。

他にも、ロバート・イングランドの女装にしか見えない保健室のオバさんフレディ、鉤爪でサメの背びれのモノマネをして【ジョーズ】を意識するフレディ、犠牲者の魂で作ったキモカワなミートボールなど、みどころ満載。
エンドクレジットで流れるThe Fat Boysの【Are You Ready for Freddy】をはじめ、劇中で流れまくる音楽も要チェック。これはサントラが欲しい。

ちなみに、監督は我らがレニー・ハーリン。
前作のエドガー・アラン・ポーの引用をなぞった旧約聖書のヨブ記の引用や前作のナンシーの家の模型を作るクリスティンをなぞったナンシーの家の落書きをする少女など、なぞりまくるオープニングで【ダイハード2】を思い出してしまいましたが、ツッコミどころも含めてこれだけ書く事があったんだからきっと良い映画だったんだなと思いました(ブライアン・ヘルゲランドの脚本のおかげかもしれません)。フレディの弱点が鏡ってのは納得できないけどね。