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夜のピクニックのLoveAnimal14のレビュー・感想・評価

夜のピクニック(2006年製作の映画)
3.5
恩田陸さんの原作は読んでて、この映画も観ました。ボクは男子校だったので、こんな甘酸っぱいシチュエーションは皆無だし、なんならしごきのような長距離マラソン大会という映画にもならないような汗臭いだけの地獄のイベントの思い出しか記憶にありません💦だから、いいなぁ〜なんて羨望のまなざしで観てしまいました。
多部ちゃん、初々しい!可愛いような、可愛くないようなとこが魅力的(笑)

タイトルが「夜のピクニック」でしょ?
ボクが中3のとき仲間内で、高校受験の合格祈願💮のため…太宰府天満宮まで歩いて行こう!という話になりました。言い出しっぺはナガボーで、確か5、6人くらいがその話にのっかりました。ボクも、もちろんその内の一人です。決行の日にちを決め、当日は夜の11時スタートということになりました。
当日の夕方、ボクは少し微熱があり…オカンもばあちゃんも「行ったらいかん」と猛反対。ボクは「大丈夫だから」と言うんですが、オカンとばあちゃんのダブル攻撃で撃沈寸前💦そのとき、普段は無口な父ちゃんが「行かせてやろう。こんなことできるのは今だけやけん。行かんやったことで後悔させとうなか!」と言ってくれたのです。父ちゃん、カッコいい〜✨✨夜11時、友達5人が迎えに来て…いざ出発!おバカな中学生6人旅の始まりです。おっと、ところが言い出しっぺのナガボーの姿がありません。なにやら、体調をくずしてまさかのドタキャン💦なんじゃそりゃって話(笑)1月某日の夜、今にも降り注いできそうな満点の星空の下、ボクらは元気いっぱい歩き出しました。目指せ!太宰府天満宮!!くだらない話で盛り上がったり、ふざけあって叩きあったり、歩いたり走ったり、好きな女の子を打ち明けあったり、歩みは止まりません。1月でしたから、当然寒かったはずですが…寒さはあまり感じなかった。若かったからですかね?そのうち、1時間、2時間と時間が過ぎれば過ぎるほど、だんだん口数も減っていき歩くスピードも遅くなり、途中休憩の時間も増えていきました。軽く弱音を吐く奴、急に腹を壊して野◯◯する奴、そんな中…必ず誰か一人がみんなを鼓舞し、なんとか歩みを進めていきました。基本的にずっと海岸線を歩いていたのですが、そのときの潮風の匂いは今でもおぼえています。だんだん空が明るくなり始め、トータルで7時間ほど歩いた時点でみんなギブアップ💦距離にして50kmくらい歩いたのではないでしょうか。近くの駅から始発の電車に乗り博多駅まで行きました。で、その電車の中でのエピソードなのですが…。そんなに乗客は多くなく、ボクの席からたまたまチラッと見えた人がとんでもなく高倉健に似ていたんです。ボクはなんの躊躇もなく、その人の席まで行き「高倉健さんですよね?」と何度もたずねました。その人は、ややうつむき加減で何も言いません。それでもボクはめげることなく執拗にたずねていたら友達がすっ飛んで来て、AKBの握手会さながらの勢いでボクをはがしにかかりました。友達は、その健さんかもしれない人に何度も謝罪をして、ボクの頭を一発ひっぱたいて…ボクを引きずるようにして自分達の席に戻りました。ボクは席に戻っても「あれ、絶対…高倉健やろ?ね?高倉健やろ?」と興奮していたら、口にガムテープを貼られてしまいました。今でも、あの人は絶対、高倉健だったんじゃないかな〜と思っています。だって始発の電車に乗った駅からそう遠くないところに健さんの別荘があるということを、大人になって知ったからです。真相は闇のままですが、もしあれが本人だったなら夢のある話でしょ?
…それから、博多駅についた後はバスで太宰府天満宮まで行きました。無事に祈願を済ませ、さあ何するべ?となり…おバカな6人組はゲーセンへ!わざわざ太宰府まで来てゲーセン….ホント、バカなんすよ。夕方になり、またバスと電車で地元に帰ってまいりました。みんなヘトヘトで無言のままバラバラと家路に向かいました。まるで「STAND BY ME」の、あのシーンのように。その合格祈願の旅の行程に、たいしたドラマチックな出来事があったわけでもなんでもないんだけど、あのときじゃなければ叶わなかった恥ずかしくもほんの少しだけ眩しい時間だったんだなって思います。
ま、合格祈願のおかげだったのか、「落ちたら自衛隊に行くか、死ね」とまで言われていたボクも、なんとか無事に高校には合格できたのでオールオッケー👌ということで💦もちろん、後日…ドタキャンしたナガボーはみんなからひどく責められましたとさ。めでたし、めでたし(笑)

これが、ボクにとっての「夜のピクニック」というわけです😊
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