TenKasS

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:QのTenKasSのレビュー・感想・評価

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長く続く人気作品に多い、作品それ自体が観客と、ファンによる強い力を持ちすぎた考察、欲望の投影を振り払って作品それ自体を再定義し批評し直す。恐らくそういうタイプの映画。大概「賛否両論」のレッテルが貼られ、ネットレビュー等で炎上する。SNS以後、2010年代の風潮。
その後なんとなく『Gのレコンギスタ』『スターウォーズ最後のジェダイ』『ゲーム・オブ・スローンズ シーズン8』『The Last of Us Part2』とかも同じ脳内フォルダに入った印象。

『Q』だけシネスコなので映画館に行ってよかった。
『破』で綾波だけは絶対に助ける熱い展開(笑)のシンジに同一化した観客が、劇場を出た後に「ぜんっぜん意味わかんないっすよ!」と劇中のシンジと同じことを十中八九言う仕組みになっているのは今見てもよく出来てんなーと感心。
分かりやすく14年越しの世界との再会は、緊急事態かつ危険人物なのにシンジをヴンダーのブリッジ付近に結構な時間おいておき、誰にも14年分の穴埋めをさせず、大騒ぎさせるという無理をしてまでシンジ目線(≒観客目線)でやる。

シンジくんは輪をかけて自己中。そして世界にはそんなシンジの我儘を聞いてあげる余裕など一切ないにしろ「男でしょ!」みたいな台詞には微妙な気持ちを抱いてしまった。

カヲルとシンジの台詞が全部笑えるトーンなのやめて欲しい。アニメを見なくなって結構経つので不意打ちで笑い止まんなかった。
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