TERUTERU

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:QのTERUTERUのレビュー・感想・評価

3.8

 少年が目覚めると世界は筋書き通りではなかった、
 
 オリジナルの脚本はアニメ版とはかけ離れていく。


 14年後の世界、赤く血の色のように染まった大地と海、もう人が住める場所ではない。
 そして荒れ果てた地の上で 「AAA ヴンダー」という旗艦が空を舞う。元属していたNERVを壊滅目的として「ヴィレ」という組織に。
 だが仲間だと思っていた者からは命を狩る首輪で繋がれる。見た目は変わらないエヴァのパイロットたち。だがわかることは、失敗してしまった者への反省して欲しい目ではない…もうこれ以上何もして欲しくない怨みと怒り、殺意をも感じさせる目だ。

 14年間の間でなにがあったのか、
 世界の人類を助ける為選ばれた少年ではなかったのか、
 自分は認めてもらえて必要とされた者ではなかったのか、
 あの日救った彼女は、、、

 疑問だけが広がる世界に父がいるNERVが立ち塞がる。
 そして、フィフスチルドレン「渚カヲル」と出会い真相へ。

 ピアノの旋律は『Q』を奏で、最後の使徒が動く。


 『序・破』まではアニメ版と進みはほぼおなじだった。だが『破』の終盤辺りから思わぬ方向へ変わっていく。話の流れはシンジの感情のように2作目では幸せを感じるような明るみであったが、『Q』では暗く切なくダークな世界観が広がっていく。アニメ版の「男の戰い」以降と同じく、主人公の感情が苦しめられていくのは似ているが、次の作品では彼が立ち上がりエヴァで世界を救うのか。はたまた絶望感や恐怖でうずくまり使命感から逃げていき、ゼーレのシナリオにより世界へ終止符をうつのか。
 どちらにせよ、『新劇場版エヴァンゲリオン』は私たちに何を伝えたいのか、あの時生み出したアニメの最終話は輝きに満ち溢れるようなものだったのか。

 次回、終末を奏でる曲は、残酷な天使の少年による神仰曲🎶


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「31手先で君の詰みだ」

『Q』はゼーレ、ゲンドウ、カヲル、ヴィレによる将棋の撃ち合いをしている。
その中でシンジは将棋の駒にすぎない。
-31分後の王手-

2021/No.002
2021/No.009
TERUTERU

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