コマミー

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Qのコマミーのレビュー・感想・評価

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【渇きの世界】

[気まぐれ映画レビューNo.65]


「破」でのあの出来事から"14年後"……。

シンジが眠っている間、事態は大きく変化していた。

ミサトとリツコらは碇ゲンドウ率いる"NERV"のエヴァを討伐するための組織「ヴィレ」を挙兵。

NERVが隠蔽していたエヴァを強奪するため「US作戦」を実行。NERVも組織としての力を失う。

シンジが目覚めた後、事態は彼の想像以上に変わっていた。

彼が救い出したレイの所在についても。

その途端に起きた、レイの乗る"Mark09の急襲"。

その出現の後、シンジは"これまでの真実"を知る事になる。



上の説明だけでは足らないほどだ。"難解"すぎる!
まず、前作のいわゆる"ニアサードインパクト"から14年も経過し、ミサトやリツコなどのシンジに近い人物の"立場が大きく変わりすぎてる"所だ。NERVの"敵"となり、使徒との戦いでは無く、人同士のいや、エヴァ同士の戦いとなっている。設定を変えるだけで、ここまで重みが増す作品になるとは…。
恐らく、"3.11後の世界"をイメージしているのだと思うのだが、とにかく暗い。苦しい。

シンジの"知らない真実"について触れられているのだが、観ている最中、動悸がしてきた。吐き気というか、残忍というか。上手く説明出来ない。シンジの"精神状態"がそろそろ心配になってきた。
これも、恐らく3.11後の"人間の立場の変化"を意味している。

とにかく難解すぎる新劇場版3作目。
それは、いわゆるニアサードインパクト、"サードインパクト"が起きた後の"渇いた世界"を3.11後の世界と重ねて作られた物語だった。

本作で見せたシンジのみならず、様々な人たちの"目"は忘れる事ができない。

だって、もう戻る事は出来ない人達の"覚悟の目"なのだから。


こうして、"シン・エヴァ"に続きます。
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