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ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Qのmatchypotterのレビュー・感想・評価

3.7
3部作×4シリーズ、グルグルローテーションPartⅡ。
3周目③。

これはもはや、宗教、芸術、哲学の世界に入り込む。

ゼーレが目指す“人類補完計画”。
これに意図せず、足掻けば足掻くほど計画通りに手を貸す碇シンジ。

前作で綾波レイを助け出したつもりだったが、目を覚ますと何年も経っていて、周りの人も、周りの風景も、ほとんどすべてのこと、モノが変化している。
いわば、浦島太郎状態。

自分はあの時、ただただ必死で1人の大切な人を救い出したつもりだったのに、、、。
その全てが、まったくもって目指していた結果ではなかったとしたら、、、。

公開が延期されてしまったが次の4作目。
4作なだけに展開が正しく「起承転結」に忠実。

「序」でこの世界を始め進むべき方向を定め、「破」で進んできたものをぶっ壊し、
「Q」でそこから新たに作り替えるのかどうなのかを問う。

次の『劇場版〜:Ⅱ』、これでどう結ぶのか。
予告では「新たな希望を吹き込む」的なことは言ってが、、、。

とにかく、この「Q」では、何もわかってない混乱気味のシンジが、目の前の事実を受け入れられなくて、何が何だかわからないまま、流れに流れる。

それで、やっとすがったモノがまた彼にとっての希望でも何でもなく、むしろ新たな、そしてもっと深い絶望を招く。

という、空回りというか、自分の傷にさらに塩を塗る。
本当に「バカシンジ!」と言いたくなる。

なんだそのわがままと言うか、無謀というか、無計画というか、無責任な行動は。

「ホント、あんた、ガキシンジね」

彼がいつもの葛藤というか、ヘタレで情緒不安定な悶々が最高潮に達する3作目。

そして、ゼーレ、人類補完計画、アダムの器、リリィの意思、フォースインパクト、、、深い部分の片鱗が、いよいよ水面下から完全に姿を表す。

映像の次元がまたさらにUPしていて、視覚がその世界観と描写すべてを飲み込めない感じ。恐ろしい。

何回か観てるはずなのに、毎回脳の処理が追いつかない。

4作目観たら気持ち良くなれるだろうか。
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