sanbon

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Qのsanbonのレビュー・感想・評価

3.7
シン・復習③

はい、という事で、ここまで9割方関係ない事しか話していないので、最後くらいはまともに感想など書いていきたいと思うんですが、今回連続で「序」「破」「Q」と見直してみてまず思った事は、序って意外と中身ないじゃんって事でした。

初見だった頃は、作画技術の大幅な進化や意味深に変更された設定などが相まって、序と破がとびきり面白い印象だったんですが、かなり久々に見返すと、序って「シンジ」がいきなり「第3新東京市」に呼び出されて、そのまま訳もわからず「エヴァ」に乗せられて、嫌な思いして駄々こねて、でもやっぱりまた乗せられてがただただ繰り返えされるだけで、アクション面での見せ場は多いんですが、物語的な起伏は実は最後までずっと平行線のままなんですよね。

そこから破に続いて、新キャラなんかが加わって、ちょろちょろと新たな設定なんかが明かされていきますが、結局は「第10使徒」戦までは序とやってる事は基本同じです。

当時は、TVアニメ版との違いなどが考察厨の心をくすぐるなどして、それだけでもかなり盛り上がっていた印象でしたが、それも10年以上前ですから今やそのバイアスも効力は失われちゃってますよね。

そうなると、今改めて見直して面白いと感じるのは、世界観や関係値が突如としてガラッと変容してしまうQなんですよ。

これまでは、序と破は何度か見返す事もあったんですが、Qだけはイミフなうえに鬱展開で、また旧劇の過ちを繰り返すのかという諦観もあって、映画館で一度観たきりだったものが、時間の経過でこうも評価が逆転するというのは、自分の事ながらなんだか面白い感覚でした。

後、立て続けに観ると線画の太さとか細かさが序とQとでは結構違くて、作品毎にも技術力の向上が感じられるところも面白かったですね。

そして、Qが前2作に比べてあまり面白く感じない理由は、
"守るべき対象"がなくなった事が大きいのかなと思いました。

前2作は、第3新東京市という街やそこに暮らす生命、共に戦う仲間達を守るという目的の為に、嫌気がさしながらも立ち向かっていく姿に面白さがあったんですが、Qに関してはシンジは「WILLE」のメンバーからはハブられ「NERV」からは物のように扱われ、仕舞いにはエヴァ同士で戦いあう展開をみせる為、それぞれがそれぞれを敵視した疑心暗鬼の中で物語が進んでいくので、ヒーロー的なポジションが皆無な分明確な面白さが見出しにくいんですよね。

まあ、説明無しで唐突な展開が畳みかけられる点も勿論、面白味に欠ける大きな要因にはなってますが。

それでも「冬月」とシンジの将棋のシーンで「あと31手目で詰む」発言から丁度31分後に本当にシンジが詰む展開とか、これまでの新劇にはなかった凝った演出などもあり、そういうところも踏まえて改めて観ていくと、唸らされるところもたくさんある作品でした。

それにしても「セントラルドグマ」のシーンで、自分よりよっぽど事情通な「カヲル」君が「なんかおかしいから槍抜くのやめね?」ってなってても独断専行しちゃうシンジは、置かれた境遇を踏まえたうえでもあまりにも感覚がガキ過ぎるし、一回人類を滅ぼしかけて戦々恐々としてた割には、あまりに怖いもの知らずでむこう見ずな行動過ぎて、流石にイッラァと来ましたけどね。

とにかく、これで準備は整いましたので後は最終作?が公開されるのを待つのみです。

では、今回は感想ともつかない駄文にここまでお付き合い頂きありがとう御座いました。

おっちゃん(僕の感想を古くから読んで下さってる方ならわかるかな?)もめっきり出なくなっていたので、こういうゆる〜いおふざけ回もたまにはお許し頂ければ幸いです。笑(と、思ったけど「おかずくん」回も割とふざけてたわ。)

「シン・エヴァンゲリオン」は初日に観に行きますので、そちらは真面目にレビューしていきたいと思いますので、その際はぜひ宜しくお願い致します。(真面目にレビューするとは言ってない)

それでは、また。
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