TaiRa

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:QのTaiRaのレビュー・感想・評価

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初めて観た。2012年は人生で一番金なかったからパスしたけど、こんなタイミングまで取っておくとは思わなんだ。

まず最初に画面サイズ変わってて「ん?」ってなる。前2作がビスタだったのに急にシネスコ。もうこの時点で連続性は無いのかなって気がした。本編始まってから唐突な14年後設定と同じ世界観とは思えない舞台&キャラ。観てる間は、これってシンジが初号機の中で見てる夢なのかなって思ってた。『破』の次回予告で『Q』は「Quickening」(急速化/胎動)の意味だと示していて、『破』は初号機=ユイ=レイと同化したシンジの母体回帰が結末になっていた。要するに母体に戻り胎動するシンジ=胎児の見た夢なのではと。この「胎児の見る夢」って何だっけと思ったら『ドグラ・マグラ』だ。未読だけど。あれも病院で目が覚めた青年が記憶にない罪を知らされる話みたいだけど、今回のシンジも大体そうだよね。記憶はあるけど。あと安野モヨコの名前って『ドグラ・マグラ』の呉モヨ子からでしょ。色々合点が行くんだけどな。画面サイズ違うっていうのも、『オズの魔法使』におけるモノクロ/カラーの転換みたいな意味じゃないかな。もしくは並行世界とか?『破』のラストでカヲルが「今度こそ君だけは幸せにしてみせるよ」って言うけど、あれってTV版&旧劇の渚カヲルと同一人物という事かな。並行世界か時間ループの中をシンジの為に転生し続ける(魂のルフラン)カヲルを真とすれば、『序』『破』で描かれた世界と『Q』の世界が別物でも問題ないよね。まぁ今回もカヲルくんは失敗しますが。『まどマギ』のほむらちゃんみたいだよね。あと今回思ったのは庵野ってタルコフスキー好きだなって。そもそも母親と恋人(に近い女性)が同じ姿っていうのもタルコフスキーが『鏡』で主人公(自分)の母親と妻を同じ女優に演じさせてたのと近いし。今回の廃墟化したネルフ本部の光景とか『ノスタルジア』っぽい。廃墟と言えばタルコフスキーだし。あと今回はフォースインパクトの時に流れるベートーヴェンの『交響曲第9番』も『ノスタルジア』では世界の終わりを説く狂人が焼身自殺する瞬間に流してた。あとシンジの部屋の撮り方がまんま『ノスタルジア』だった。ラストの人が立ち入れない地帯を進む3人ってのも『ストーカー』だ。死んだ妻のコピーに会う『惑星ソラリス』も昔から『エヴァ』には影響与えてそうだし。まぁ、あーだこーだ言っても『シン・エヴァ』観ない事には何も分からないんだけどね。
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