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エージェント・ハミルトン 祖国を愛した男のスペクターのレビュー・感想・評価

4.3

『エージェント・ハミルトン~祖国を愛した男』 2012. スウェーデン映画 

スウェーデン発の諜報員の活躍を追う “ドキュメンタリー” と言いたいが、
フィクションである、超一級のスパイアクション映画。

“ドキュメンタリー” と言いたくなるくらい “リアル” な作品である。
殺戮の描写も、血の吹き飛ぶところまで、実に緻密に表現されている。
実際に中東や東アフリカで、現実に起きているような印象さえ与える。

描写は、さすが北欧仕込みというか、地味におつりがくるような作品、
その分一層リアルさが強調されてくる。

アクション場面で、ハンディータイプを使用しているのであろう、カメラワークがうまく、
スリリング感覚を引き立てている。
ややもすると『ボーン』シリーズのように、目が追い着いて行けなくなりそうなところもあるが。

場面が、いきなりコロコロ替わるので内容が分かりずらい。
特に、最初がすっきりしないのでイラつきながら追っかけることになり、
精神上よくない。

さて、その内容は

スウェーデンの特別諜報員であるハミルトン “ミカエル・パーシュブラント” は、
同国の兵器会社が交戦国にミサイルを提供している実態を把握するため、
ロシアのマフィアに潜入するが、
アフガニスタン国境付近にてテロ集団に襲撃され全員殺害される。
ハミルトンだけがからくも逃れるが、ミサイルは奪われる..........。

兵器会社の黒幕がテロ集団のリーダーと絡んでおり、
真相解明に同国の女性首相が動き出す...........。

という、スパイアクション映画ファンがゾクゾクするストーリーである。

ちなみに、テロ集団リーダーのロブ・ハートが 『トランスポーター2』 でも悪役をやっていた “ジェイソン・フレミング” 。

冒頭、ベッドシーンらしきところから始まるが、ぼや~っとした映像ではっきりしなく
最初レズビアンの描写かなと思うくらい上向きに寝ている人の顔が
端整で女性のようにみえる。
この人物が主人公のハミルトンであり、もちろん男性である。
背も高くガッチリしていて北欧男性の魅力満載である。

この作品をスウェーデン製007と見る向きもあるが、
両者、映画のスタイル、バックグラウンド、主人公のキャラクターなど全然違っており較べることは難しい。
敢て、ムリムリ違いを一言でいうならば、
『007』 が 「テクニカラー総天然色映画」 であるのに対し
『本作品』 は 「モノクロ白黒映画」 である.....。 とか?。

味があり、見応えがあるのは両者とも!。

続編 『ベイルート救出大作戦』 を翌日にテレビ放映したらしいが、
本作のビデオ取りっぱなしでほっておいたため見逃してしまった。

続編も、見るしかない。



BS Nittere
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