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風の歌を聴けのumeのレビュー・感想・評価

風の歌を聴け(1981年製作の映画)
2.5
ノルウェイの森の映画があまり好きになれず、ずっと小説ごと敬遠してきていた村上春樹。この原作である小説を去年はじめて読んでみたら、ちょっと彼を好きになった。騎士団長殺しは当日に買いました。

 あまり期待せずに映画を見たけれど、これは「観る小説」に近くてなかなかよかった。朗読の延長みたいな、一貫した古臭いオシャレさが良い。ときどき出てくる小説の描写は、無類のことば好きにはたまらないと思う。

 最近はいろんな実写化ものが出てきている。脚本と監督と原作者がひとまとめになったり、そうでなかったり。口語の臭さは映画にするとダサいとか、原作を忠実に再現しない映画はクソだとか、いろんな説があるけれど、そんな小さい悩みはどうでもいいのかもしれない。「良い映画」には別のきまりがあって、きっとセンスさえあればなんでもいいんだろうな。
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