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11.25 自決の日 三島由紀夫と若者たちのcrnのレビュー・感想・評価

3.0
美意識を煎じ詰めて論理を排した三島は、美意識にそぐわない現実を力で改変することで認知的不協和を解消しようとする。かいつまむとそれだけなのかもしれない。

どの時点まで遡れば文学者のままでいられたのか、ノーベル賞か、と考えたけれど、たぶんもっと昔。子どものころからの思想であり、三島由紀夫という文学者には、この自刃に帰結する(ような)彼でないとなれなかったのだろう。そう思わせる史実性を感じた。

三島という人のよく分からない面と闘争等の事実の捉え方によって、評価が分かれる作品。むしろ、純粋に作品として評価しにくい。三島と森田以外のキャラクタの弱さが作品の弱さにつながっているけれど、実際の二人の特殊性を示すため敢えてなのではないかと思った。
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