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11.25 自決の日 三島由紀夫と若者たちのkensteadyのレビュー・感想・評価

3.0
同じ若松作品でも、2009年『実録・連合赤軍』ほどの強烈さはなし。ただ、『実録・連合赤軍』の連合赤軍の中枢メンバー役の2人(井浦新・地曳豪)が、右派・自衛隊として登場していたのは笑ってしまった。

三島由紀夫の思想自体を映画の中でどこまで再現できていたのかは疑問が残る。彼の言葉をそのままセリフとしてなぞっているだけで、深い精神性や緻密な論理思考などは感じ取れなかった。井浦新自身は全く落ち度はないし、俳優として見事に演じ切っていた(特に最後の演説シーン)が、やはり三島の雰囲気は出ていなかった。見た目が優しすぎるし細い。

あと、予算の都合で仕方がないのだと思うが、セットや衣装が貧相で異様な凄みのような雰囲気が出ていなかったのが残念。三島由紀夫を題材にするなら、現在公開中の『三島由紀夫vs東大全共闘』のように、実際の映像をもとにドキュメンタリー作品にするのが良いと思う。誰かに演じられるような人物ではない。
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