まりぃくりすてぃ

ライク・サムワン・イン・ラブのまりぃくりすてぃのレビュー・感想・評価

1.2
駄作映画がJAZZヴォーカル最高峰エラの(代表的アルバムの表題曲である)ストレートすぎるグラマラスな曲に駄洒落みたくぶら下がってる甘えんぼぶりは、迷惑な感じ。それ以前に、この映画自体が親爺ギャグだ。せめてエンディングには質素めアレンジ&超絶技巧歌唱の「偽れぬ心 / What Will I Tell My Heart」か「また逢う日まで / We'll Be Together Again」を際どくコース突くっぽく使えば多少のメランコリー効果を明るくグニャグニャ生んだかもしれないのに、まったく芸なく「Like Someone In Love」をまるまる聴かせるなんて、苦笑だけさせてくれちゃう。映画に全然合ってないじゃん!! 監督自身が生前認めてたことだけど、音楽取り入れのセンス不足。高田みづえ?についてはどうでもいいけど。。
そして、ほぼすべての人物のほぼすべての言動の、現代日本人としての不自然さが、グロテスク! 何ですかこれ!? かろうじて、自動車整備の数分間だけは見れた。あとはダメ。
キアロスタミの書いたペルシャ語(いや、たぶん英語だね)の台本を和訳する段階で、多岐にわたる進言を日本人スタッフがキアロにしてあげるべきだったのに、怠った。巨匠を畏れてのこと。卑しいよ。
私はずっと前、ある団体旅行で空手の現役世界チャンピオンの大柄な男性と同行したことがある。ほかのツアー客らは全員、彼をVIP扱いしてるっぽかった。私だけは、彼をただの一員としか見ずに、空手のことなんて一っつも訊いてあげず、「どこから来たんですか?」「ゆうべはよく眠れました?」「何食べた?」とかタメグチに近い感覚で喋ったら、世界チャンピオンのほうが私をかなり尊重した。
[つたや]