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恋の罪のnoonのレビュー・感想・評価

恋の罪(2011年製作の映画)
4.0
東電OL殺人事件をモチーフにした作品。

昼間は貞淑な妻、あるいは有名大学の助教授、でも夜は不特定多数の男を捕まえ、セックスに明け暮れる。一定の地位があったとしてもそれだけでは満たされない、女達は男とのセックスを通して女の価値を確認する。そして男達からお金を受け取ることで自分の価値を可視化する。愛する夫や父に女としてみてもらえない悲しさや寂しさは女達を傷つけ、苦しめる。そして自分の女としての価値を確認するため彼女達を円山町へと駆り立てる。

言葉なんかおぼえるんじゃなかった 日本語とほんのすこしの外国語をおぼえたおかげでぼくはあなたの涙のなかに立ちどまる

貴女と同じ立場だから、その言葉の意味が分かる、貴女の苦しみが分かる、貴女の涙に立ち止まってしまう。二人は立場が違えど本質的には似た者同士。そしてこの事件の謎を追う女刑事、女刑事の前で自殺した女も実は同じなのだ。それはこの映画を観る貴女もそうかもしれないし、私もそうかもしれない。

この映画、男性と女性で観た後の感想がだいぶ違うんじゃないかと思う。園子温は女性目線で作ったんだろうなあ。

冨樫真の鬼気迫る演技が素晴らしいです。
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