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スケッチ・オブ・ミャークの4423のレビュー・感想・評価

スケッチ・オブ・ミャーク(2011年製作の映画)
4.0
宮古島(ミャーク)にひそやかに唄い継がれる神歌と古謡(アーク)の唄い手たちを追ったドキュメンタリー。

ふだん我々が当たり前のようにイメージする宮古島とはまったく違う、底知れない深い部分を見ているようだった。とりわけこれらの唄は、生きることへの苦しみから生まれたものであるという真実が胸を打つ。

ドキュメンタリーとして見るととりたてて秀でているわけではないのだが、とにかく出てくるおじい、おばあの刻まれた皺がすごい! 老人の皺がありのままに映し出されている映画はフィクション、ノンフィクションに限らずとても好きな要素だ。

そして映像だけに終わらないのが『スケッチ・オブ・ミャーク』の魅力。おそらくはボイトレなどしたこともないであろう、地声で唄う無名の島人たちの唄を、久保田麻琴らが現代の音にのせてリミックスし、CDにして本人に手渡す。

病床に伏すおじいやおばあに「あなたの唄だよ」といって聴かせる場面は自然と涙があふれてしまい、ぼろぼろに泣いてしまった。

音楽は言葉である。この一言に尽きる。荒削りだが無垢な言葉がいたるところに感じられる大変素晴らしい作品でした。
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