教授

仮面ライダーW(ダブル) FOREVER AtoZ 運命のガイアメモリの教授のレビュー・感想・評価

-
平成仮面ライダー映画の最高傑作だと思う。
探偵物語風ハードボイルド、というのは、つまりヒーロー再構築的な意味合いだと思う。
というのが、前年、クリストファー・ノーランの「ダークナイト」があったからだ。
その上で、平成ライダー10作目「ディケイド」から新たなヒーロー像の模索として、「原点回帰」しつつ、明確な「戦う理由」とその中で「この街を守る」ための成長はテレビシリーズから一貫して描かれているところが素晴らしい。

そして本作は、劇場版ならではのまさに脱正義的な敵。
同じく「仮面ライダー」を名乗るエターナルと、自らと同じスペックで武装した死体の傭兵たち「NEVER」。
つまり「死」の側より、生を挑発する。
異形からの挑戦として、やはり「ダークナイト」の影が見える。特に最後のT2ガイヤメモリに賞金をかけて風都の市民たちの倫理観を揺さぶる描写や、ヒートメモリの女(八代みなせ最高にエロス)と翔太郎のやり取りは最高だし、とにかくさりげない描写がグッとくる。
桐山漣は、とにかく変身ポーズなどのケレン味のある仕草がとにかく色っぽい。

前作の劇場版「ビギンズナイト」では父と子の話として翔太郎サイドの苦悩が描かれたが、今回は対になってフィリップと母との話。
自らの感情になかったはずの感情に戸惑う繊細な演技に菅田将暉はすごいなぁって思う。

とドラマにおいてもツッコミどころはありつつそれでも、繊細に語ろうとしている姿勢と、とにかくあらゆるアイデアやパターンを駆使したアクションシーンに悶絶する。

日本国内どころか世界的にもなかなか見れない美しいシーンの数々。

そこに仮面ライダーが映ってるこの至福たるや、筆舌に尽くせません。
教授

教授