スイッチ

劇場版 魔法少女まどか☆マギカ 前編 始まりの物語のスイッチのレビュー・感想・評価

4.0
作中で佐倉杏子(cv:野中藍さん)が言ったセリフ「希望を祈ればそれと同じ分だけの絶望が撒き散らされる」が指すように、この作品も、我々がキャラクター達が幸せな結末を迎えてほしいと願えば願うほど絶望的な結末へとストーリーが進んでいきます。
こんなに希望を感じさせるジャケットでも、中身は絶望だらけです。
しかしその絶望の中で、戦うことの意義や世の中に横行する不条理について考えさせられ、同じようなバトルものの作品の中でも特に異質でメッセージ性が強いように思えました。
また、魔女や魔女の住む異世界をサイケデリックな作風で表現した劇団イヌカレーさんの手腕は非常に素晴らしかったです。
この世とは違う異世界の雰囲気を見事に体現していました。
唯一嫌いなところを挙げるとするならば、第1話でまどかが見た夢の描写などの、アニメシリーズ版では重要だった描写が所々省略されていることです。
これは初見の人にとっては少し厳しい作りになっているなと感じました。
しかしそれでもかなり楽しめる作品ですので、観ることを強くオススメします。
スイッチ

スイッチ