GreenT

4:44 地球最期の日のGreenTのレビュー・感想・評価

4:44 地球最期の日(2011年製作の映画)
2.5
地球最期の日に、人は何をするのか?本当にそれだけしか描いていない映画です。

ニューヨークのインダストリアルなアパートメントに住むシスコ(ウィレム・デフォー)は、ニュース番組を見ているのですが、キャスターは今日が地球最期の日だとニュースを流しています。オゾン層が破壊され、太陽の光が直射して、地球上の生物は死に絶えるということらしい。

シスコの彼女、スカイ(シャニン・リー)はアーティストらしく、最期の日は絵を書いて過ごそうと思ったよう。一息つくごとに違う洋服に着替えているのですが、その気持分かる!お気に入りなのに1回しか着たことのなかったドレス・・・

2人は親子かってくらい年の差があるのですが、カップルらしく、いきなり床でセックスし始める。この撮り方が、いやらしいシーンはないものの、デフォーの陰毛ドアップ!みたいな、なかなか変わったシーンでした。

街の人たちは落ち着いていて、暴動が起きたりとか自暴自棄になったりみたいなことはなく、なんか今回のコロナ騒動と同じだなあと思いました。まれに自殺する人があったり、明日の朝世界が終わるってことを信じていない人もいたりするのですが、シスコとスカイは、いつものようにベトナム料理のテイクアウトを注文したりしている。

配達してきたベトナム人の男の子に有り金全部あげちゃうシスコ。「しょっちゅう配達してきてくれたのに、喋ったこともなかったね・・・」みたいな感じで。金貰っても、しょうがないよなあと思っていたら、男の子はスカイプを使わせてくれと言う。ベトナムの家族と喋りたいのだ。

シスコが別れたかみさんとスカイプしていると、それをスカイが見て、嫉妬してケンカしたり、明日死ぬのに・・・と思ったんだけど、死ぬ寸前に「やっぱり自分よりかみさんが好きなんだ!」って思う方がショックかなと思った。

傷心のスカイはおかあさんとスカイプするんだけど、このお母さんを演じるのがどうやらあのアニタ・ペレンバーグらしいんですよね。この人は「ローリング・ストーンズのミューズ」と呼ばれ、キース・リチャードのガールフレンドとして有名だったモデル?女優?だった人なんだけど、すごいおばさんになっていた。

そんな感じで、みんな疎遠な家族とスカイプしたり、スマホでダライ・ラマとかアル・ゴアが地球の環境が壊れていると警告していたビデオを見てうなずいたりしている。

インターネット時代の「地球最期の日」はこんな感じなのかなあと思いました。

この映画なんで撮ったんだろ?と思って観てたんですけど、どーも「アル・ゴアの話に耳を傾けなかった私たち人間は死んでいくのだ」って話なの?と思いました。

アル・ゴアって、『不都合な真実』という映画で環境問題を提起した、アメリカの元副大統領なのですが、この人のインタビューがTVで流れるシーンがすごく印象的に描かれています。

ウィキで読んだところによると、最初はイーサン・ホークがシスコの役で、プロデューサーでもあったらしいのですが、スケジュール等の関係でウィレム・デフォーに変わったらしい。

イーサン・ホークもウィレム・デフォーもリベラルだし、そもそもハリウッドはリベラルなので、環境問題をマジメに考えよう!と人々に啓蒙する映画なのかな?と思いました。製作国にスイスやフランスも入っているしね。

しかしあまり説教臭くなってもアレなので、地球最期の日に人々がどう過ごすかを淡々と描くだけにしたため、なんだか中途半端な感じになってしまったんでしょうか?
GreenT

GreenT