名作『春原さんのうた』の杉田協士監督の作品とのことで鑑賞しました。うーん、ここまで語らない作品だと、配信で鑑賞するには集中力が維持しないな、との感想を得ました。おそらく、劇場で鑑賞したら⭐️が1.0くらいアップしたと思います。
主人公がポラロイドカメラで他人をバシバシ撮るのも抵抗ありました。盗撮じゃん。それが物語のラストに絡んでくるのはわかりますが、うーん微妙。
また、この物語らないスタイルは、劇中に物語の起点がある場合にははっきり言って向いていないな、と思います。語られないため、物語のサインを読み取ろうと躍起になり、疲れてしまう可能性があると思います。『春原さん〜』は主人公さっちゃんが回復する以外ほとんど何も起きないので、主人公と一緒にゆったりと映画に身を委ねることができますが、本作はイマイチそうもいかない。一見ゆったりしているけど、どことなくせわしない印象を受けました。
とはいえ、つまらないと切って捨てることもできない魅力はありました。物語らないスタイルはなんだかんだと心地よく、カメラワークも好ましい。自然音が入ってくる感じるも現実と地続きな感覚があり、やはり良いです。
そう考えると、『春原さん〜』に向けた良質な習作だったと思います。とはいえ、習作は習作ですかね〜。