やさぐれて自暴自棄なおじさんと
夫との歪んだ夫婦関係に憔悴し
追い詰められた女性。
人生の折り返し地点を過ぎた孤独な男女の
出会いが導く再生の物語
境遇のまったく異なるふたりが
導かれるように出会い 彼女の慈愛に触れ
歪に凍っていた彼の心がゆっくりと
とき解されていく一方で
夫からの激しい暴力にひとり耐え忍び
行き場をなくした彼女がおこす行動。
彼女の丸まった震える背中が切なく
荒くれ者だけど寂しさも漂わせた
おじさんと 次第に心を通わせ癒されていく
過程は 重く悲しくやるせない展開に
微かな希望を与えてくれます
『思秋期』って、寂しさしかないタイトル
だけど 原題のTyrannosaur (奥さんの
あだ名)は 彼のことでもあるのかな?
ポスターの 地中に埋まる恐竜は
地中に眠る奥さんでもあり 彼女と出会って
怒りの衝動をコントロールしようとする
彼自身のようにも見えました。
奥さんのエピソードを語る寂しそうな姿に
凶暴な彼の 隠れた愛情や優しさを
彼女も感じていたのかもしれません。
ファーストシーンのとげとげしさからは
想像のつかない ラストの清々しい後ろ姿は
彼らの残された時間に
やわらかな光が射しているようでした
༶
まったく華がないけど地味に隠れた傑作。
実はむかし観たことをすっかり忘れてて
再鑑賞🤣 当時はコールマンさんの名前も
知らなかったけど 主演のふたりがほんとに
素晴らしくて唸ります。
2022-136