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アルゴのcatmanのレビュー・感想・評価

アルゴ(2012年製作の映画)
4.0
事実を歪曲していると言うことで、イランはもとよりカナダ側からも批判がある本作。確かにアメリカに都合が良いようにドラマを仕立て上げているのは如何にもハリウッドらしい。が、それを置いといて良く出来た良質のサスペンスで、ベン・アフレック監督のセンスと手腕は見事。ただ空港のクライマックスシーンは流石にやり過ぎなのでは

で、事実に基づいて映画化された作品って、一般論として観客は無自覚のうちに全てを真実だと鵜呑みにしてしまう傾向がある様に思うんですよ。それは映画会社の宣伝方法にも問題があるんだけど、ドキュメンタリーではなく、あくまで映画であって実話に着想を得たフィクションであることを何らかの形で観客に伝えた方が双方にとって良いんじゃないかと思っていつもモヤモヤする。オープニングによく見られる "Based on a true story"って表記も微妙。これ日本語字幕だと余計に面倒で、『これは事実に基づいた物語である』くらいならまだマシ、『これは真実の物語である』なんてのは完全に言い過ぎ。

話をアルゴに戻して、最初のワーナーのロゴアニメーションとフィルムがザラついた質感は70年代を感じさせる粋な演出。ワクワクしますねぇ。当時のスターウォーズのオモチャやポスター、アルゴのそれっぽいストーリーボードなんかも私の世代には実にグッと来るアイテム。
キャスティングも全体的に良くて、中でもアラン・アーキンは特異な存在感。些かカリカチュアライズされた彼のキャラクターが、緊迫感溢れる本作にコミックリリーフ的なスパイスになっていて好き。"ArGo Fuck yourself."🤣🤣🤣
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