[実話という裏付けのある見事な映画賛歌。しかし…]
よく出来てるんです。
ベンアフレックはかっこいいし、奇想天外な救出方法も実話なんですと言われれば納得するしかありません。
演出は終始緊張感を保ち、ストーリーに引きこむ力を持っています。
あまり知られていなかったであろうアメリカンヒーローにスポットライトも当たりました。
何より、映画はリアルに人を救うんだという映画賛歌としてのメッセージ。
オスカー受賞は納得です。
でも何か違和感がある。
本当にここまで危ない橋を渡る必要があったのか。
物語の途中で代案とそれをとるべき理由が示されるのですが、そっちの方が人質にとっては安全で、ある国にも迷惑をかけなかったのではないかという疑念が消えませんでした。
もちろん、その時点で代案を使えなくしてしまっていたので仕方ないのですが、普通そっちをまず綿密に検討するのでは…と素人ながらに思ってしまいました。
そのせいで、主人公が人質の皆さんに対して必要以上に恐ろしい決断を迫って苦しめたように見えてしまい、あまり手放しで喜べませんでした。
結果オーライを過度に美化するのはいかがなものか…と、無責任な一傍観者は思いました。