シネパピ

アルゴのシネパピのレビュー・感想・評価

アルゴ(2012年製作の映画)
3.8
アメリカ・イラン情勢が不穏な時期にピッタリの作品。内容は他でも散々書かれているので割愛。

まさに映画の話のような作戦が本当に実行された事が驚き。
情報伝達が光の早さで行われている現代では絶対に失敗するだろう。
1970年代のスピードだったからこそ成功したんだろうなと思う。

エンディングで映画のシーンと当時の写真を対比させるカットがあるが、極力当時の状況を再現しようと努力したことが伺える。

しかし、この映画で描かれているイランはアメリカ人視点のもの。デモを行っているイラン人が暴徒となり大使館になだれ込むシーンなどはアメリカ人が中東の人々に抱いている潜在的な恐怖感がよく現れていると思う。
逆に中東の人々がこの映画を見たらどんな感想になるのだろうか。

カナダ大使のメイドの描き方をもう少し丁寧に描いて欲しかった。彼女は主人公たちを庇う行動をするのだが、それに至る経緯が若干、不鮮明なのが残念だった。同胞を騙してまでアメリカ人を庇い、母国を捨てることになったのだから。それとも、彼女は映画の中だけのキャラクターだったのだろうか。その一点だけちょっと気になった。
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