KanaiSatoru

アルゴのKanaiSatoruのレビュー・感想・評価

アルゴ(2012年製作の映画)
4.0
「アルゴ」を観ました。
こんな世の中だから家で映画を観ましょう!

「グッド・ウィル・ハンティング 旅立ち」のベン・アフレックが、監督のほか製作・主演も務め、イランで実際に起こったアメリカ大使館人質事件の救出作戦を描くサスペンスドラマ。

舞台は、1979年イラン革命が激化するテヘランです。
冒頭、ものすごい緊迫感のあるシーンが連続します。中東異国という舞台は、平和ボケした日本人には全くの異世界、とても非現実的で恐ろしく感じますね。

そんな中、過激派がアメリカ大使館を占拠、6人のアメリカ人が何とか大使館を脱出しますが、街中はどこも過激派だらけ。
見つかれば処刑されること間違いなし、という状況で、彼らを国外へ脱出させるため、CIAで人質救出を専門とするトニー(ベンアフレック)がCIA本部に呼ばれます。

ここで人質救出専門家がいることに驚かされます、そういう専門家がいるってことは、そういうシチュエーションが多々あるってことですよね。

しかしもっと驚くのは、なんと専門家であって、わざわざ呼んどいて、トニーの脱出計画をお偉いさん達は即却下するのです。
恐らくそれほど前代未聞の作戦だった、ということを強調したいシーンなのでしょうが、僕には、この人、たいして信用されてないと見えてしまいました。

この脱出作戦は、架空のSF映画を企画し、6人をその撮影スタッフに偽装して出国させようとするもの。そしてその映画の題名が「アルゴ」なのです。

この映画を観る前、この題名、なんやろこれ、と思いましたが、今では、なかなかよい題名つけたなと思います。

前半はそんな架空の映画を本物らしく見せるための小細工、準備に時間をかけるため、一旦、緊張感が薄れ、中だるみしますが、後半は、緊張感のあるシーンが連続するので、見応えあります。
イランで救出を待つ彼らのところに、ようやく来た救出専門家を名乗るヤツがおかしな提案をして、それを受け入れるのか?とか、ホントに脱出できるのか?とか

脱出時に超えなきゃいけない関門が3つあるという設定も上手いです、観る側にも分かりやすい。

ただなんていうか、渋い映画です。
サスペンスな展開や雰囲気など、好きな方は楽しめると思いますが、娯楽大作ではないため万人ウケはしないかもしれません。
というわけで、個人的には80点です。

ちなみに2012年度・第85回アカデミー賞で7部門にノミネートされ、作品賞、脚色賞、編集賞の3部門を受賞しています。
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