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危険なメソッドのGreenTのレビュー・感想・評価

危険なメソッド(2011年製作の映画)
3.0
なにコレ、セックス中毒の映画?!と思ったら、心理学で有名なユングの話だったんだ。

オープニング、精神病の女性、ザビーナ・シュピールラインを演じるキーラ・ナイトレイがすごい!この人あんまり好きじゃないというか、そもそもこの人の出演作ってほとんど観ていないってことに気がついた。しかしこの役はすげー頑張ってる!

この症状が「ヒステリー」という病名らしい。

で、始まって5分以内にマイケル・ファスベンダーが出てきて、彼がユングを演じているんだけど、やっぱいいなー、この人。カッコいいんだけど、そこはかとなく笑える感じで。

ユングは、フロイドが提唱した “Talking Cure” 対話療法?を使ってザビーナの「ヒステリー」の原因を突き止めるんだけど、小さい時父親に性的虐待を受けていたのかと思ったら、裸にされて折檻されるのが「好きだった」と告白する。

つまりこの人マゾらしい。

キーラ・ナイトレイってすっごい痩せているんだけど、本当に胸もぺったんこだった。最初映画化が計画されていたときは、ジュリア・ロバーツが配役されていたらしいんだけど、あの人こんなのできたかなあ?しかも胸を見せるとは思えない。

フロイトの役はヴィゴ・モーテンセンが付け鼻を付けて演じているんだけど、無いほうが良かったかも(笑)。この役は元はクリストフ・ヴァルツだったらしく、ユングはクリスチャン・ベイルだったらしい。

ユングとザビーナは愛人関係になってS&Mをやるので、ジュリア・ロバーツとクリスチャン・ベールってのも濃い〜なあ。

フロイドはユングの師匠みたいな感じで仲いいんだけど、二人が「夢判断」で馬がどーとか「それは性的抑圧を表している」みたいのぜーんぜん判んなかった(笑)。

けど、フロイドがなんでも「性的抑圧」のせいにするのをユングは「?」って思っているらしいとか、フロイドは科学的に説明のつかないことを信じないのでユングはイラついているとか、あと、フロイドは意外と、年のせいなのか、自分の権威が落ちないように、ぶっ飛んだ新しい仮説を発表したがらないみたいな感じが見受けられた。

あ!あと、オットーなんとかっていう精神科医も出てくるんだけど、これがヴァンサン・カッセルだった。この人はまさにセックス中毒っぽくて、「欲望は抑圧するべきじゃない」って感じなのか、とにかくやりまくる。

この人精神科医だし、ザビーナも精神科医になりたくて、ユングに治療してもらったあと、精神科医になるんだよね。

つまり精神科医がみんな問題だらけ(爆)!ってか、だからこそ患者の痛みが解かる?

精神分析の部分がチンプンカンプンだったせいか、私にはこの映画は「ユングとザビーナの愛の物語」に見えた。ザビーナはユングと性的関係を持ちたがる。ユングは結婚しているから貞操を守りたい。オットーに「欲望を抑圧するな」と言われる。でユングはザビーナと関係を持ってしまうが、それでザビーナは性的に開放されるんだよね。

これは「転移」というフロイドの説らしく、要するに性的トラウマになった父親の折檻をユングに「投影」したってことらしい。

映画では、ユングとザビーナの関係は、「転移」という心理学の結果なのか、それとも本当の愛だったのか、ってのを問うているみたい。

私は「愛だった」って言ってるんだと思った。ユングとザビーナはお互いが一番好きな人なんだけど、別々の人と結婚し、家庭を築く。切ないですなあ。
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