イチロヲ

ファイナル・ガールズ 惨劇のシナリオのイチロヲのレビュー・感想・評価

3.8
映画女優の母を交通事故で亡くした少女が、生前の母が出演していたホラー映画の中に入り込んでしまう。タイトルにある「ファイナル・ガール」とは、スラッシャー映画で最後まで生き残ることができる女性を指している。本作では「ガールズ」となっているところがポイント。

1986年製作という設定の「映画内映画」を舞台にして、出演者がスラッシャー映画のセオリーに抗うことにより、シナリオの正しい進行を妨げていくという物語。「もしも、自分がこの物語の世界に入ったら、どのような行動を取るだろう」という、誰しもが一度はやったことがある「妄想ごっこ」を巧みに利用している。

純然たるコメディ路線に振り切ることにより、シナリオの綻びとなる部分を「ソレはソレだから、笑っておいてね」と一蹴させているところが巧い。実際のところ、声を出して笑えるようなギャグはないけれど、スラッシャー映画の「あるあるネタ」を覆そうとする、主人公たちの行動にニヤリとさせられる。

アイデアで一発勝負を仕掛ける、B級映画の正しい在り方を教えてくれる秀作。