ハッピーアイスクリーム

荒野の誓いのハッピーアイスクリームのレビュー・感想・評価

荒野の誓い(2017年製作の映画)
4.6
インディアン戦争の英雄ジョー大尉は、族長のイエロー・ホークとその家族を護送する任務を命じられる。ネイティブアメリカンを憎むジョーは不本意ながら部下たちと任務に就くが、道中でコマンチ族に家族を殺された女性ロザリーを助ける。ロザリーたちを襲った連中に追われる中、族長とジョーは協力を余儀なくされることに。

誰がための大地

『ブラック・スキャンダル』のスコット・クーパー監督がクリスチャン・ベイルと2度目のタッグを組んだ西部劇。共演は『ゴーン・ガール』のロザムンド・パイク。

西部開拓時代が終わりを迎える時代を描いた西部劇ではあるのですが、戦争を生き延びた兵士たちの心の傷や、敵だったはずの相手との相互理解をテーマにした濃密な物語でした。改めて戦争とは何なのかを考えさせられる。

久しぶりにクリスチャン・ベイルのじっくりとした演技を堪能できた。寡黙で芯の強いタフな男なのですが、仲間に対する想いが熱い。家族を失ったロザリーに対する振る舞い方が素晴らしかった。彼の心境が変化していくのとシンクロするように僕自身の心境にも変化が起きるのを感じた。
また、ロザリー役のラザムンド・パイクの悲しみや絶望に打ちひしがれる演技も見事。家族の墓を掘るシーンは観ていてとても辛かった。

"私の一部は あなたと共に死ぬ"

理解し合えないからか
文化が違うからか
人を、国を、分ける理由は
僕にはわからない。

彼らが辿り着く大地。
国のために戦ってきた彼らが、人として迎える結末に魂を揺さぶられます。