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SHAME シェイムのyumeayuのレビュー・感想・評価

SHAME シェイム(2011年製作の映画)
3.0
私たちは悪い人間じゃない。悪い場所にいただけ…。

マイケル・ファスベンダー演じるブランドンは、ニューヨークで暮らすビジネスマン。
仕事ぶりも優秀な彼は一見、何不自由ない様子に見えるが、実は極度のセックス依存症なのだ。

この依存ぶりが半端なく、とにかく一日中セックスのことばかり考えている状態。
コールガールや一夜限りの関係だけではなく、仕事中なのにトイレで自慰行為をし、会社のPCはエロ画像だらけ、家に帰ればポルノを観たり(飯食いながら!)、エロチャットをしたり、頭の中はエロいことでいっぱい。もうね、中学生男子もびっくりするほどの性欲なのです(笑)。

こうやって文字にするとなんか笑っちゃうんだけど、マイケル・ファスベンダーの体を張った実際の演技は気持ち悪いほど生々しい。同じ男でもちょっと引くぐらい。
劇中の半分くらいは裸なんじゃないかな。

まぁ、とにかくとんでもない生活なのだが、特に他人に大きな迷惑をかけるわけでもなく、むしろ依存のおかげでなんとかギリギリ精神の平静は保たれている状態。
しかし、キャリー・マリガン演じる妹シシーが家に押しかけてきたことで、次第にブランドンの精神状態が不安になっていく…。

この妹がまた厄介で、彼女は恋愛依存症のメンヘラ女子。
この兄妹の妙な関係や依存症になってしまった経緯などは劇中で明確に語られることはない。
しかし、なんとなく匂わせるようなシーンや、過去に何があったか想像はできるようにはなっている。

物語の後半、どうしようもなくなったブランドンが夜のニューヨークを徘徊し、ありとあらゆるエロの限りを尽くす様は凄まじい。ほんと手当たり次第。
しかもどの行為も快楽には程遠く、彼の表情は常に険しく痛々しい。

なんとも共感しにくい映画ですが、ひとつ言えるのはエロを期待して見てはいけないこと。
そういうシーンは多いですが、決していいものじゃないです…。
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