MJF3106

バッファロー’66のMJF3106のレビュー・感想・評価

バッファロー’66(1998年製作の映画)
4.5
刑期を終え刑務所を出たビリーは母親についた「結婚した」という嘘(他にもたくさんあるが)をごまかすためレイラをさらって実家に帰るが、ビリーの頭の中は自分が刑務所に入る原因を作ったある人物を殺すことでいっぱいだった…、
と、はてはて箸にも棒にもかからなそうなあらすじだなと思いつつもジャケットに惹かれ鑑賞。

ドジでワルぶってて、でもどこかか弱く母性をくすぐるビリーと、優し過ぎるのか強く言われなくてもどこか従ってしまう萌え萌えぽっちゃり娘のレイラ。
こんなのありえねーだろと思いつつも、「いや、意外とこんな2人ならありえるか…」と、つい生暖かい目で見守ってしまうふわふわ感。

そんな展開の中に時折交錯するビリーの生き続けることへの葛藤は、レイラの心だけでなく、映画を見ている僕の心も妙に揺さぶった。


怒りが一気に沸騰し、復讐含めそのこと以外考えられなくなることは誰しも一度は経験がある?だろう。アクションを起こさずにいると陰鬱とし、漠然と「死んだほうがマシだ」と確かに思ったりもする。

しかし、意外と人間はそれを上回る出来事が起きるとその怒りを一瞬にして忘却の彼方に消し去り、まるで何事もなかったかのようにいつもの自分に戻ったりするものだ。

簡単に言えば、世の中上手くできているし、
そんなにクソじゃない。
「辻褄合わせるように抱き合って眠る」ことで救われることもあるというのが、妙にリアルだと感じた。

寒い冬にホットココアの温もりを感じながら鑑賞したい作品である。