みょん

バッファロー’66のみょんのレビュー・感想・評価

バッファロー’66(1998年製作の映画)
4.8
これ、すごく好き。
本当に観てよかった!!

とっても切なくて、オシャレで、面白い、ヒューマンラブストーリー。


刑務所から出所したビリーが、両親についてしまった小さな嘘から、たまたま出会ったレイラを誘拐し、自分の婚約者だと偽って両親に会わせます。


トイレに行きたいのに、運悪くどこのトイレにも行くことができないという、万人に分かりやすい緊張感とシュールさ、じわじわ伝わってくる笑いに心鷲掴み!


タップスクールで出会ったクリスティーナリッチは、どぎつい化粧が似合っちゃうキュートさで、またもや心鷲掴み!!


ブラックコメディ風に始まり、両親に電話をかけるあたりから、切なさが、チラホラ……


汚いタップダンススクールから電話をしているのに、なぜかファーストクラスの飛行機に乗り、高級ホテルのロビーにいると話します。


初対面のレイラに、"自分を尊敬し、愛している妻"を演じさせ、とにかく自分をたてるようにと何度もしきりに促します。


息子よりアメフトの結果が気になる母親。
息子より自分の空腹感が気になる父親。
自分の名前も覚えていない憧れの同級生。
自分を刑務所に入れたアメフトの名キッカー。


世間に居場所のなさを感じ、"生きられない"と感じたとき、1番近くにいたのが、さっき会ったばかりのレイラ。


誘拐されたにもかかわらず、ビリーを心配し、精一杯妻を演じ、ビリーを気遣い、両親の家を出てからもそばにいてくれる。
普通じゃ考えられないけど、多分会ったときからビリーに惹かれるものを感じてたんだと思います。


真っ直ぐには表せない優しさ
怒鳴る声の裏にある不安
強がりの奥の寂しさと脆さ
実は誰よりも深い愛情と人柄


きっと出会ったときに、なんとなく感じたんでしょうね。
ある意味運命だと思います。


泣きながら
"あなたは世界一優しい人だ"と言うシーンは、名シーンだと思いますね。


それに、終わり方が本当に素敵。
約2時間の中で、初めてギャロの満面の笑みが見られて、とても幸せになりました。


カメラワークも独特でオシャレだし、もうとにかく大好きな映画です!


ただ、万人受けはしないと思います…。


でも私は大好きだし、万人に受け入れられないところも大きな魅力の1つかなと(*´꒳`*)


ヴィンセントギャロ、監督としてもっと映画作ればいいのに…。


本当にいい映画でした。
みょん

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