このレビューはネタバレを含みます
存在を知ったときからずっと見たかった作品。私がアニメをよく見るようになった頃より前の作品なので、詳しくは知らないままだった。『パプリカ』が有名なのは知っていたけど。
期待以上に良かった。もっと前に作られた映画なのかと思ってた。タイトルからタイムスリップ的な話だと思ってたけど、現実と想像が混じった世界だった。
戦前から戦後にかけての昭和を追えるのがワクワクする。激動の時代だったから、実際にこんなドラマみたいな話があったかもしれない。
戦争が起こると国の意向に反することは全て犯罪で、本来裁かれる人ではない人が罪人となる。為政者によって善悪が覆ることが怖い…なんてことを考えながら見た。
今敏監督の作画と色遣いとストーリーには無駄がなく、完璧な独自の世界観を作っている。背景も人物も、手を抜いている箇所が見当たらない。誰も真似出来ない。そんな作品を生み出す監督がもういないなんて、すごく惜しいなと思う。これからまだまだ映画を作っていただろうし、その世界観を引き継げる人が現れたかもしれないのに。
千代子はちょっと関わっただけの人をいつまで追いかけるんだろうと思っていたけど、終わり方がとても良かった。
だってあたし、あの人を追いかけてるあたしが好きなんだもの。
…でしょうね(笑)
色んな時代の役を演じられる女優って楽しそうだな…って、初めて思った。
20240815