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千年女優のnamのレビュー・感想・評価

千年女優(2001年製作の映画)
3.9
「現実や虚構の中を進みながら、想い人を探し続けたラブストーリー」

今敏監督の2作目。
前作ではアイドルから女優になった少女が現実や虚構や妄想の世界の区別が分からなくなるような描き方のクライムサスペンスだったのに対し、本作でも現実と虚構の交錯は1つのコンセプトになっています。

ある女優が生い立ちをはなしていくという回想のスタイルで、少女時代に恋をした1人の男性を想い続け、その姿を探し続けるというのがストーリーの軸になってます。
ストーリー自体はとてもシンプルです。

映像表現がとても特徴的で「現実」から「過去の回想」、「演じてきた劇中劇」の中をシームレスに場面が変わっていくのはアニメならではの表現で、時代背景や世界観がどんどん移り変わっていく様子はとてもお見事です。

と同時に時間の経過や老化というものにも直面されつつ、そんな中でもフィルムや作品の中では永遠に若さを保ち、探し続ける事ができたりと最後のセリフがなかなか考えさせられます。
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