ビターチョコ

コクリコ坂からのビターチョコのレビュー・感想・評価

コクリコ坂から(2011年製作の映画)
1.0
スタジオジブリのアニメ映画は「作画レベルが高い」から、全体として退屈でもゼロ点をつけるわけにはいかない(いま初めて知ったが、採点は1.0が最低みたい…0.9も0.5も出来ない)。

●あらすじ
主人公は真面目で美人の女子高生。同じ高校のイケメン男子に惚れるも、彼からとてもショッキングなことを告げられて……。

高校生たちの青春映画。アニメだが、魔法もロボットも怪物も出てこない。同タイトルの少女マンガが原作らしいが、大きく改変されてるらしい。

恋愛を中心に、高校内で学生運動のようなものがある。生徒会とか大掃除とかの内容で、大勢が命をかけて戦うとか海が割れるとか、凄いアクションやスペクタクルは全くない。つまり人間関係だけの地味な物語。海も山も空もない世界。

が、主人公の名前は「海」であだ名が「メル」。由来は、海を意味するフランス語らしい。なぜ説明しないのだろう(10秒で充分に可能)。説明不足が心地よい映画があるが、この映画はいろんな説明不足がストレスだった。だから私は低い点をつけた(ラ・メールが海を意味するのは常識か? だからネットで不満を言ってる人が多い)。

ちなみに魚はフランス語で「le poisson」。
いまネットで調べたばかり。
あなた知ってた?

ところで、「政治家、医者、音楽家、俳優」は親子揃って同じ職業が多い。だが親子揃って「作家」は珍しい気がする。もしも映画監督を世襲でしたらどうなるか。スタジオジブリの場合、会社が傾いたようだ。

この映画はヒットしたようだが、もしジブリブランドがなければヒット性は薄いアニメ映画だろう。私はレンタル落ちのDVDを二百円で手に入れたが、まだ一度も観ていない(二年くらい経つが)。私にはその程度の映画だが、作画は良いので観る価値はある…かもしれない。


【追記】原作との違い。
原作では、主人公の女子高生である海(うみ)の家に下宿する北斗(男性)がいた。海の初恋の男性で、彼から「海はフランス語でラ・メール」と教わった。それが主人公が「メル」と呼ばれる理由だが、映画に全く出てこない。それから、なぜ北斗を男性から女性に変えた? 酷い改変と思う。
・原作:北見北斗(男性、獣医師)
・アニメ:北斗美樹(女性、医師)

映画の重要な建物「カルチェラタン」は原作には無いらしい(笑)。また原作の主人公は小松崎だが、映画版では松崎に。たぶん他にも改変があるだろう。
宮崎駿が長年温めていた企画だそうだが、大きく改変した理由は不明。たぶん変えることで、宮崎駿印にしたかったのだろう(監督したのは息子だが)。