芋けんぴ

コクリコ坂からの芋けんぴのレビュー・感想・評価

コクリコ坂から(2011年製作の映画)
3.4
学生運動に興じる男子たちの本質がうまく切りとられてる映画。

学生運動というのは体育祭だ、試合だ、大会だと頻繁にオスの優秀さをアピールする機会に恵まれた体育会系男子に比べて男をアピールする場が極端に少ない文化系男子たちの唯一の闘争の場だったのではないか。

象徴的なのは女子寮の送別会に男子グループが招かれて食事をする場面。女子たちはかしましく地に足のついた世間話をしているのに対し、男子はそんな女子の輪に混じることなく、わざわざそんな場所でまで学生運動の段取りを話し合ってる。

これ、別にカルチュラタンに戻ってしたらええ話であって女の子たちの横でしなくてもいいわけですよ。でも彼らには自分たちが優秀なオスで自立した大人であることを女子にアピールする手段がこれしかない。文化系男子にとっての体育祭、県大会、甲子園が学生運動なのだから心血を注いでも無理はない。

宮崎駿や高畑さんは学生運動を美談として、熱情ある若者の良き例として残したいだろうけど、僕ら下の世代に言わせたらやっぱりただの政治的大義を傘に暴れていただけの、頭のいいフリした渋谷ハロウィンでしかないと思う。

でなきゃ、東大全共闘が日大全共闘を身代わりに安田講堂から撤退するわけない。

ブームだったんですよね、ただの。

この映画には吾郎さんのそんな冷ややかな視線が隠されてるような気がする。