よしおスタンダード

コクリコ坂からのよしおスタンダードのレビュー・感想・評価

コクリコ坂から(2011年製作の映画)
3.7
No.2830

哲研部の部長と理事長が楽しそうに会話するシーンめっちゃ好き。

今から振り返ると、終戦は75年も前になるけど、

この映画の設定、昭和38年からすれば、まだ終戦から18年しか経っていない。

しかも、この映画が公開されたのは、2011年の7月。3.11からたった4か月後である・・・。

そういうことを踏まえながら見ると、俊の生い立ちも、メルのお父さんの人生も、かなり現実感があって切ない。

ひょっとしたら描かれてないだけで、水沼にも隠された秘密があるのかもしれないし、

個人的には、コクリコ荘の住人、凄い絵を描いてた広小路さんの人生も気になる。

・・・で、やっぱりいつも思うんだけど、地上波の放送は、マジでエンド・クレジットをカットするのはやめてほしい。

(私は基本、地上波放送で映画見ないんですね。中身がカットされてるから。でも、たまには、本編ノーカットみたいだから地上波で見てみようとすると、エンディングカットされてて騙された気分になって、しまった忘れてた!! 地上波じゃエンディングなんか流さないんだ!!ってなるww)

尺が足りないならわかるけど、足りてるじゃん。

この映画は、エンディング・テーマ「さよならの夏」の余韻も含めてじゃないと、味わい尽くせないのですよ。

たとえば家族でちょっと贅沢な外食でもしたときに、メインディッシュ食べたら速攻で帰ったりしないでしょう。

ちゃんとデザートも食べて、お父さんお母さんはコーヒーかなんか飲んで、子供たちはジュースでも飲んで、

「おいしかったね」とか「また来ようね」とか言いあいながら、現実に戻っていくわけです。

これが余韻の力なんですよ。

映画の中でも言ってたでしょう「文化を守れ!」って。

映画の文化って、「余韻の文化」だと思うんですよ。

オープニングからエンディングの最後まで味わって余韻に浸るところまでがワンセットだと、それは僕にとっては大大大前提なんです。