けーはち

仮面ライダー×仮面ライダー×仮面ライダー THE MOVIE 超電王トリロジー/EPISODE YELLOW お宝 DE エンド・パイレーツのけーはちのレビュー・感想・評価

3.3
電王トリロジー「黄」は、海東大樹主人公回。海東=ディエンドはディケイド登場人物のため脚本は米村正二が担当する。

★カブト、ディケイドでその地位を確立した米村正二という脚本家がいる。毀誉褒貶あるが、平成ライダーには欠かせない人材だ。井上敏樹や小林靖子という平成ライダーの旗手のエッセンスを抽出し、より戯画的、メタ的な描写をする。ライダー春映画(○○大戦)、プリキュアやハンターハンター、アンパンマンなどの活躍を見るに、ムラがありつつも引きも切らず様々なニーズを聞き入れて手早く仕事をこなすので、プロデューサーやスポンサーのウケは良いらしい。

★それを踏まえて本作を観ると「時空警察」とか突飛なオリジナル設定も含めて米村正二色。お宝と門矢司にしか興味がない海東の行動原理に、少しホロリとさせる人情味を混ぜ込むのは巧い。自由を尊ぶお宝コレクターであり、世界の観察者である彼は、自分の手に入らない美しいお宝である人と人との絆を眩しく、羨ましく感じ、それを守りながらも、自分の手にすることはなく、ただ遠ざけるツンデレ野郎なのである。