DVDでみたけど、オーディオコメンタリーでの中原昌也との会話が最高におもしろい。(中原昌也はなにかをくちゃくちゃ食いながらしゃべってる)
そのオーディオコメンタリーは制作の細かいところ、手法やアイディアなど語っていたが、どうやら実験的に作った部分が大きいみたい。
とくに最初の独白のナレーションの音をパンで振ったりとか、実験的にやったみたことらしい。それがすごいおもしろい効果を生んでる。
それから蛇口の排水溝に血が流れる絵がアップになるカットがあるけど、それを中原が「サイコ(ヒッチコックの)だ」と指摘するも、冨永は「あ!たしかに」と意図していなかったもよう。
意外と無意識に作っている部分が多いのかなという印象を受けた。
冒頭の好きなシーン。
主人公タカオは妻と喧嘩をしている。タカオは喧嘩のために用意していた言葉「不埒な女だよ」(ゴルゴ13からの引用)を妻に放つ。
何回かやり取りのあと、
「私陽性だった」と妻。
この「私陽性だった」を「私妖精だった」と聞いたとしても差し支えないような、台詞のタイミングと表情。それがたまらなくおかしい。
この不思議な会話劇と、実験的だけど味のある演出(音やナレーションによる)がとても魅力的な作品。何度も見返している。
5つのショートストーリーからなる作品。