きき

最高の人生のききのレビュー・感想・評価

最高の人生(2003年製作の映画)
2.8
キキ特集四本目!
確か、『最高の人生の見つけ方』がやったあたりに劇場未公開作が便乗でDVDスルーした記憶。
だからこその邦題。

ビリー・ボブ・ソーントン演じる主人公は若い頃に青年を殺してしまい、刑期を終えて出所する。
行く宛のない彼が向かった先は、昔の街で、同世代の女性の元。しかし、彼女に話しかけるわけではない。
そんな彼は、たまたま鳴った公衆電話で人違いされ、そのまま仕事につくことになる。
そこは、モーガン・フリーマン演じる牧師が運営するコミュニティハウスで、主人公に仕事と住む場所を与えてくれた。
戒めの為に壁に殺した青年の記事を貼る主人公は、償いをし、赦しを得ることが出来るのか。

というお話。

原題は、軽率、という意味を持つ"Levity"。
同じくモーガン・フリーマン出演作に乗っかったのがバレバレで、全然中身とマッチングしていない邦題が勿体なすぎる。

というのも、この邦題だと、どうも明るい題材、もしくは泣けて心温まるような題材を思い浮かべてしまうけど、贖罪と赦しがテーマの作品なので、どちらかというと終始どんよりしてる。

今回のキキの役どころは、ヒット曲を持つ歌手だった母親の娘で、なんだか満たされない気持ちを持て余す若い女性。
牧師の運営するコミュニティはクラブの斜め向かいにあって、その駐車場に車を置く代わりに、牧師の話を聞く、という交換条件があり、主人公はそのキーを預かる仕事をするのだけど、なんだかこういう話本当にありそうでリアル。

そこでキキと主人公は出会って、なんだかんだ会話をしていくうちに友情みたいのが芽生えるんだよね。
キキは本当に自分に似合う役を分かってる、というか、毎回役を自分のものにしてるなぁ、という印象。

主人公は20年以上刑務所にいて、人と自主的に接し慣れていない感じで、控え目、どこかおどおどしているようにも見える。
ビリー・ボブ・ソーントンの外見からも、とてもよくその感じが出てたと思う〜。

ただ、ストーリー自体はというと、こないだ感想を書いた『誰のせいでもない』同様、加害者と被害者家族の関わりっていうのはやっぱりどうなんだろう、と思わざるを得ない。
本作も贖罪がテーマで、それはあくまで主人公側の視点でしかないし、事故ではなかったんだから尚更、単なる自己満足じゃないかな、と。

赦しに関しても、そうせざるを得ない展開でもあって、ちょっとご都合主義かな、という気もした。

でも、たった数秒で人生は変わってしまう、ということや、人は変わることが出来る、というのは伝わってくる。
後者に関しては、一概に100%で頷くことは出来ないけど。

記録 : 2020年126本目。
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