牛猫

雲の上の牛猫のレビュー・感想・評価

雲の上(2003年製作の映画)
3.1
服役していた寺の跡取り息子が、ヤクザになった幼馴染と付き合っていくうちに取り返しのつかない事態に巻き込まれる話。

初空族。色々と衝撃的だった。
8mmフィルムで撮られた粗い映像が独特の雰囲気を醸し出してる。ところどころホラーっぽい演出もあるけど、この粗い映像のおかげでかなり際立っていた。

長閑な田舎の風景から始まる冒頭からは想像できないほど陰鬱で息苦しくて救いがない。
よく海外の作品を見て文化の違いに驚いたり、戸惑ったりすることがあるけど、日本の中でもヤクザの世界や寺の生活とか、流れている空気とかその土地に渦巻く問題とか、普通に暮らしていたら知り得ないような世界がまだまだたくさんあるんだと思った。もちろんあくまで映画だから実際に本職の人がみたら色々違うところはあるのかもしれないけど、ドキュメンタリータッチで撮られた映像と会話の間が妙なリアリティを生んでいる。
ヤクザの親分が優しい口調で話しかけてくるのが怖い。頭の悪そうな彼女も絶妙。バーのママの棒読みっぷりもなんだか癖になる。

川に捨てられた犬の映像がショッキング。
薬師丸ひろ子のチョイスも素晴らしい。
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