ベビーパウダー山崎

愛のさすらいのベビーパウダー山崎のレビュー・感想・評価

愛のさすらい(1971年製作の映画)
3.5
ベルイマンの世界で右往左往するエリオット・グールドを思い描いていたが、実際見てみるとベルイマンがエリオット・グールド(つまりアメリカ映画)に媚びていた。夫と妻とその妻の愛人、ほぼ三人芝居。展開ごとにころころと変わる感情と行動、不安定な状態(三人の関係)のまま付かず離れずを繰り返し、モチロン誰も救われない。愛しているという言葉の不毛さ、神もいない、無意味な運命。全身毛むくじゃらのグールドと両乳さらけ出して裸で飛び込んでくるビビ・アンデショーンのゴッツイ濡れ場。終盤にちょろっと出てくるグルードの姉(と言い張っているだけかもしれない)の存在が不穏で良かった。