LEGION

サニー 永遠の仲間たちのLEGIONのレビュー・感想・評価

サニー 永遠の仲間たち(2011年製作の映画)
4.2
大人になった主人公が高校時代の友人たちとの友情を蘇らせていく物語。主要人物それぞれの悩みを描いたストーリーながら気分の悪さを残さないような前向きの作品だった。主人公の高校時代、大人になった現在の二つの時間軸を交互に見せていく構成になっていて現在→過去への場面転換の仕方がスムーズで言葉の説明がなくとも映像で分かるような工夫が施されていた。何回も時代が移り変わっていくが、その移り変わる方法が様々だから新鮮さを感じ、飽きることがない。現在と過去、共にその当時の時代背景をうまく捉えられているから変化が分かりやすく、高校時代のノスタルジーを主人公たちが感じて生まれる笑いは面白かった。
作品として面白かったのはストーリー以外でも多々見受けられた。作中で登場人物たちが韓国のドラマを見る場面が多くあるが、そのドラマのお決まりの展開に登場人物たちが不快感を露わにする描写がやけに心に刺さった。実際この映画はベタ中のベタな作品かもしれないが、この描写から作り手はこの映画がベタだとわかってながら作っているという意味が込められてるようにも感じる。この作品をベタとわかってながら突き通そうとする意思がこの作品の感動をさらに上げているように思った。もう一つは映画を見る対象をこの映画の制作国である韓国に絞っていないこと。音楽は韓国人にしかわからない当時の時代背景となるような楽曲でなく、当時世界で流行ったアメリカの「SUNNY」など全世界の人が共通して理解できる当時の時代背景を表現している。見る対象を韓国人でなく人間に。共感しやすいから作品にのめり込みやすくなるし、登場人物への感情移入がしやすかった。
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