このレビューはネタバレを含みます
今頃見ました。なぜ今更かというとギャオでやってたので笑
家族に尽くし、満ち足りた生活を送る専業主婦のナミが、病院で十代の頃の友人ハチュナに再会する。彼女は死期が迫っていた。ハチュナに依頼され、あの頃の仲良しグループ”サニー”のメンバーをナミは探し始める、という話。
評判がよいだけあって面白かったです。それは大前提として、自分なりに感じたことをひとつ。
シンナーを吸ったことでリーダーハチュナの怒りを買い、サニーに入れなかった少女、サンミについてです。
サンミはサニーの”影”の象徴で、サニー解散の原因となる事件を起こします。
私はサンミが本当に好きなんですが、もっと掘り下げて描いて欲しかった。
たとえば「野ブタ。をプロデュース」という学園ドラマで、仲間のふりをして主人公たちのグループに近づき、影でいやがらせをして仲を引き裂こうとする蒼井というキャラがいるんですが、蒼井は特に主人公たちから何かをされた訳ではない。つまり具体的な理由はないんです。
ただ”友情””仲間”というものを忌み嫌っていて自分はその外側の人間であるということに深い孤独を抱えている。主人公たちの友情が眩しいほど蒼井の彼らに対する憎しみは大きくなる。
「自殺したくなるくらい絶望して貰うつもりだから」というくらいに。
彼女は「嫌な思い出でもいいから私のことを覚えていてほしい」と語ります。
結局蒼井は”象徴的な死”を遂げるのですが、この蒼井という影の存在があるから主人公たちのグループの友情が際立つ訳で。
そういう意味で、サンミの掘り下げ不足というか、サニーももっと”影”の部分を掘り下げて欲しかったです。