Touch by Touch
専業主婦として恵まれた生活を送っていたイム・ナミは、母の入院先で高校時代の友人ハ・チュナを見かける。余命2か月を宣告された彼女のために、イム・ナミは25年間疎遠になっていた高校時代のグループ「Sunny」のメンバーを探し始める
現在と過去を反復しながら、仲良しだったメンバーの内面に迫っていくってもうそれだけでおもしろいに決まってる。ひょんなことがきっかけで密な関係が生まれて、ぐぐぐっと距離が縮まってみんな叶えたいことを抱えながら大人になるけれど、現実はうまくいかないこともある。過去と現在が転換する場面の繋ぎ方も個人的には好きだし、終盤では2つの時代が邂逅するようなシーンも。エンディングも最高だし、あー楽しかったと観た後に言える映画だと思う
そして、キャスティングがすごい。1986年パートの女優さんは、もちろん皆さん可愛らしいけれど、「アイドルっぽい美人」でもないし、ちょうどいい。「こんな子いたなあ」という素晴らしい配役だったと思います。演出としては、コメディとして振り切った描写もあるけれど、顔や雰囲気に現実味があって絶妙なバランス
主役のイム・ナミは、もじもじした演技がオーバーかな?と思う瞬間もあれば、メンバーの一人スジと泣いて抱き合うシーンではとっても共感してしまう。リーダーのハ・チュナは、グループを守ると腹を括ったときの顔がかっこよすぎる。万人が惚れるような表情でした。
全員書こうかと迷うけれど、特によかったのは口の悪いメンバー・ジニ役の女優さん。言葉を振り絞るときの間とか勢いとかが本当に面白くて、1人で漫談でもできるんじゃないかと思いました。
あとは、Sunnyと過去にひと悶着あったと思われるイ・サンミ役の方も良かった。楽しい思い出のすぐ隣で、ずっと狂気を振りまいているんですよね。あの子の「その後」とか、観たかったなあ。
現在パートも面白いけれど、若干デフォルメがきつい気もする。転落した人の転落っぷりが、ステレオタイプすぎる気も。ベストな職業でなくとも、「それなりにやりがいを見つけている」とか、「気丈に振舞って、頼ろうとしない」とかそういう側面があっても良かったかなあ。でも、現在パートは最高のゴールに向かうために割と一直線に突き進むのが良いところでもあるから、むずかしいですね
音楽はすごく印象的なんだけど、後で曲のリストを見てみると局数はそんなに多くはない。ここぞという場面で使ってるのが頭に残った感じ