ハレルヤ

ユー・キャン・カウント・オン・ミーのハレルヤのレビュー・感想・評価

3.9
幼い頃に両親を交通事故で亡くし、孤児院育ちだったサミーとテリーの姉弟。大人になりシングルマザーで銀行で働きながら子育てをするサミーの元に、放浪していたテリーが帰ってくる。複雑な人生を送っている姉弟とその周囲の人々を描いたヒューマンドラマ。

「マンチェスター・バイ・ ザ・シー」のケネス・ロナーガン監督作品。あの作品にも通じる派手さは無くとも、心に響く家族や姉弟の絆について言及した内容です。

ある日突然姉の元に戻ってきた弟のテリー。ケンカに巻き込まれて刑務所にいた過去があり、更に金欠で姉の家に転がり込む。甥っ子と絆を育むもトラブル起こしまくり。

姉は姉で上司の不倫相手になるわ、元恋人を上手く扱うわで、あまりよろしくない感じなのに弟の生き方について説教するのはどうなんだと思いました。でもこういう人いそうだなと思う意味ではリアルでしたね。

姉のサミーを演じたローラ・リニーの自然体な演技は流石。本作でオスカーノミネートも分かる気がしました。そして弟のテリー役はマーク・ラファロ。当時はまだ無名でしたが、自由気ままな感じでも自身の人生に悩むテリーの役柄を巧く引き出していましたね。

ラストシーンは色々あっても一番大切に思うのは家族。それを温かみのある雰囲気で描いていたので、見終わった後でも心地よさが残ります。

日本では未公開作だったので知名度がかなり薄い作品ですが、地にしっかり足の付いたヒューマンドラマを見たい方ならお勧めしたいですね。
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