Cisaraghi

ユー・キャン・カウント・オン・ミーのCisaraghiのレビュー・感想・評価

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前から見よう見ようと思っているうちに十年以上経ってしまったローラリニーの映画、相手役がラファロだと知ったのをきっかけにやっと見た。ローラリニー36歳、マークラファロ33歳。18年も前の映画だけどローラリニーはいつでも変わらず魅力的な安定のローラリニーだ。役柄に対しては少し上品過ぎるきらいも。
 
話は地味だし弱いが、登場人物があまり気持ちを説明し過ぎないのがリアルで、人間は常に合理的な行動をとることなんて出来なくて、後悔するようなこともやってしまうというあたり、あるよなあ、こんなこと、と思える。大人を許してあげるルディが一番大人かも。ホント、いい子だよ、ルディは。というか、いつも子供に助けられてるのが大人なんじゃないかな。

シートベルトとハンマーのところよかった。よりよいやり方を教え、「自分のやり方でやっちゃいけないの?」ときかれると「Yes, you can.」と答える。決して押し付けないテリー。

アパラチアンマウンテンズに属するNY州キャッツキル山地の山と、山をバックにしたマーガレットビルの町がきれい。(劇中ではスコッツビルという設定。)山と緑に囲まれた落ち着いた町の映像は、見るだけでホッとするものがある。特にバスが緑の谷の曲がりくねった道を行くシーンは美しい。やはり映画の風景にも潤いは大切だ。そこへバッハのアリアやチェロが流れると相乗効果抜群。
 こんなに空が青くてきれいな所でも、小さな町から出ていきたくなる気持ちはわかる。テリーの人生がこれから上手くいくといいな。そして、時々ルディに会いに帰ってきてほしい。

アメリカは広い国だから地理的にも多様だ。まだまだ発見があるだろうから、たまにはアメリカ映画を見ないとな、と思った。

多分この姉弟は2003年のラブアクチュアリーに繋がっている、もしくはあの二人はこの姉弟にインスパイアされて生まれたのではないだろうか。
 両親を失ったこの姉弟がどうやって大きくなったのか、そこを少し知りたかった。
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