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トースト 〜幸せになるためのレシピ〜のhynonのレビュー・感想・評価

3.7
「母の死後やって来た家政婦は料理の名人で、父の胃袋を早速掴んだ。少年は父親の愛情を勝ち取ろうと、料理で彼女に対抗してゆく。」(Netflixから引用)

それで一流の料理人になってしまったのだから、人って何が原動力になるかわからないものだ。
イギリスを代表する料理人ナイジェル・スレーターの自伝的映画。

コミカルに描かれているし、映像は明るく美しいけど、悲しい話だ。ナイジェル、母親、父親、家政婦(継母)…それぞれ不器用ながらも相手を想う気持ちがところどころで伝わってきて胸が熱くなるが、その気持ちはすれ違い、お互いに通じ合うことはない。

自伝的作品でナイジェルの視点でしか描かれていないので、おそらくは父親にも継母にも、もう少しよいところがあったのでは?と思うが、嫌な面が記憶に残りすぎてああいう風にしか描けなかったのだろう。

いい映画だったと思うけれど、サクセスストーリーとかグルメ映画というよりは、悲しさの方が強かった。
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