chiakihayashi

福田敬子 女子柔道のパイオニアのchiakihayashiのレビュー・感想・評価

3.5
21歳の時、講道館柔道の創始者である嘉納治五郎の薦めで柔道を始め、2013年99歳で亡くなるまで半世紀近く、アメリカで柔道の指導・普及に力を尽くした福田敬子に、ご近所さんだったユリコ・ガモウ・ロマー監督が魅せられて撮ったドキュメンタリー。
1966年、柔道指導のために渡米。カリフォルニア州オークランドの名門女子大ミルズ・カレッジで大のオトコを次から次へとなぎ倒す彼女に、大学側は即、女子学生たちへの柔道の指導を依頼したと、ずっとアメリカでの彼女の生活を支え続けたアクティヴィストの女性が語る。
その後、彼女の滞在ビザの件で移民局にかけ合ったところ、「アメリカの防衛に役立つ人材なら」との返事。ちょうど女性を警官や消防士に採用する動きが始まっていたころで、「まさにそういう人材よ」と応じ、福田敬子は女性警官たちに柔道を教えて回り、教え子たちの推薦状や請願によって、ビザがおりたのだという。
40歳で講道館5段になった彼女が、50年後にようやく女性初の9段になるまでにも、「女だから」という頑迷な壁を突き破る周囲の女たちの熱い応援があった。
柔能く剛を制す−−−−嘉納治五郎は「女子柔道にこそ真の柔道が引き継がれている」と述べたそうな。
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